空洞化。

最近は若い人たちが会社を去っていく。
親しくしている若者ももうすぐ会社を去る予定だ。彼は会社を辞めて大学院に入りなおし、博士号をとって将来的には研究職を目指すとのこと。彼からは「セキュリティをやりたいので僕のチームに入れて欲しい」とお願いされたこともあったが、そんな政治的な力が僕にあるわけはない。さらに彼は優秀な人材だから、例え担当している仕事が彼自身が望んでいないものであったとしても、そのチームは離しはしないだろう。学生になってしまうと生活にも困ることもあるかもしれないが、自分のやりたいことを目指し実現するためにがんばって欲しい。

ただ、会社を辞めていく若者は彼のように芯を持った人たちだけではない。
次に何をやりたいとかということもなく、ただただ今の仕事が嫌だから辞めていったものもいる。確かに若いうちであれば、やり直しできるだろう。でも、ゲームをリセットするが如く、簡単な気持ちで仕事を辞めているようであれば、責任をもって仕事に取り組むことができるのか、そうでなければいつまで経ってもな満足な仕事はできないのではと心配だ。
でも、彼ら若い世代に対して魅力的な仕事や環境を与えることができていない僕たちにも大いに問題はあると思っている。特に今では会社は『従業員満足度向上』と表向きでは謳ってみているが、中身は以前よりもずっと『利益至上主義』なのだ。社員のことなど気にするよりも、売り上げ・利益・株価が大事。こんな環境だと若い人たちも意欲的に働くことはできないと思うし、去っていくことも当然なのかもしれない。

会社にとっては年代の空洞化も大きな問題。

若い人たちにはまだまだチャンスがあるからリセットすることはできるかもしれないが、歳をとった人たちにとってはそうではない。今の会社にできる限り居つづけようとするのだ。
これが困ったになっている。職人業とは違って僕たちのようなコンピュータ分野では年齢とスキルというのは全く関係ない。むしろ新しい技術をどんどん身に付けて、めまぐるしい変化にも順応に対応できる能力は若い人たちの方が高いだろう。年寄り達のほとんどは(全員ではない)口を出して偉そうなことは言っていたいのだが、いざ自分たちでは何もできないのだ。

こういう"使えない"年寄りが増えてくると、どんどんと仕事は若い者に回されていく。質・量ともに若い人たちに仕事の負荷がかかってくる。そうなると、自分のやりたい仕事ができず、かといって横を見ると"使えない"年寄りがYahoo!でニュースを見ているという、なんともやりきれない気分になるんだろうなぁ。

どこかでこの悪いスパイラルを断ち切らないといけない。僕は僕のチーム・メンバに気持ち良く、意欲的に仕事をできるような環境を提供することを優先させたい。