「動機」、「陰の季節」

横山秀夫氏著書にはまった。本屋で買ってきた2冊をすぐに読んでしまった。
「半落ち」があまりにも良かったので期待し過ぎてしまったのかもしれない。この2冊では「半落ち」で感じたほどの衝撃は受けなかったが、十分に面白いものであった。
★★★★☆

横山秀夫氏は警察や報道関係の経験があるのだろうか。組織構造、その中の人間関係、制度、仕事内容、仕草など、すごく細かくリアルに描写されていて吸い込まれていくようだ。
「半落ち」は長編であり、1つのストーリなのに各章毎に主人公を分けて視点を変化させつつも、時系列をうまくつなげるという非常に高度に考えられた構成となっていたことが大きなポイントだったと思う。
それに対し、この2冊はいわゆる短編集であり、1つ1つの事件が短いものであるため、そのような長編で受ける感動はなかったのかもしれない。しかし、「陰の季節」は4つの話が掲載されているが、それらのストーリに一貫して登場する"警務課 二渡(ふたわたり)"という人物がキーマンとなっていて、あたかもそれぞれの話がつながっているかのようなストーリとなっている。
と書きつつも、面白かった。ちょっと連続して読んでしまったため食傷気味な感じはあるが、次もまた横山秀夫氏の著書を買ってこようかと考えている。

動機 (文春文庫)

陰の季節 (文春文庫)