悪人

妻が買って、面白いとはまっていた小説。
僕にとっては著者も知らないし本屋で手にとるような本ではないので、
こうやって妻が買って面白いと言っていたものは、自分の読書の範囲を広げてくれるので助かっている。


何でも妻夫木さん、深津絵里さんで、今度、映画化されるらしい本。
非常に面白く、上下巻を一気に通読してしまった。


章・節毎に、それぞれ異なる人物による一人称視点で描かれている。
風景の描写も非常に細かく、知らない土地だけどイメージしやすい。
そのためか臨場感もあって、感情移入しやすいものになっている。
これが九州出身の方だったら、もっと面白いんだろうなぁと思う。


『悪人』という主人公は登場するが、結末まで読むと本当に悪人なのかどうかは「?」だった。
彼がどういう気持で最初の殺人に至ったかと考えると、一概に彼が悪人というわけではなく、
世の中的には、もしかしたら最初の被害者の方が悪人なのではないかと思ってしまった。


★★★★★

悪人(上) (朝日文庫)

悪人(上) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)