宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ

本書の内容は真実なのだろうか？
最近ではこの手の事件はたまにあることになってきたが、この事件が発生した当時は相当に衝撃的だったことを記憶している。
オタク、ロリコンなど、現実離れした世界が実は近くに存在していたということ。そんないわゆるオタクだった犯人、宮崎勤が起こした狂気な連続誘拐殺人事件。

これまで僕たちが報道を通して知らされてきた宮崎勤氏の異常行動が、実は完全に計算されていて演技によるものだということ。
にわかに信じがたい内容ではあるが、著者の綿密な取材で得た裏づけを示されると納得しなくてはならないものがある。
僕たちの常識を覆すような内容と、当時は報道されることのなかった事件の凄惨な事実を知ることができただけに、濃い内容だった。変な意味ではなく、面白い本だったと思う。
★★★★☆

宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ (新潮文庫)