トヨタの良いところを勉強しようかなと思って、本屋で探していたら、逆に悪いところを教えてくれそうな本だったので買ってみた。
ものすごくトヨタが悪いように書かれているが、これが果たして本当かどうかはちょっと疑問ではある。
1兆円を超える利益を叩き出すトヨタが普通の会社であるはずがないことはちょっと考えればわかるはずだ。
現場レベルでは1円単位でコストを削減して無駄を取り除いていって、それが積もり積もって1兆円の利益となっているのだから。
そんな骨身を削るようなことをしなければならないとは、相当厳しい職場なんだろうとは想像に難しくない。
そして競争社会なんだし、トヨタグループと取引してもらう会社も厳しいコスト競争をしていかなければならない。
それと引き換えにトヨタという安定の下で仕事をもらうことができるのだから。
普段はあまり取り上げられることの少ないトヨタの職場の厳しさという面を描こうとしている点は面白いと思ったが、果たしてそれだけでよいのか、トヨタを悪者と決め付けて締めくくってよいのかは疑問が残った。
もっと利益の上げている優良企業と比較してみるといったことがあった方が面白かったと思う。
たとえば、キャノンとか任天堂とかとの比較など。
恵まれた職場環境で、かつ安定&成長している企業があるのであれば、それと比較してトヨタの厳しさと書き連ねても説得力があるようになると思う。
★★★☆☆
- 作者: 渡邉正裕,林克明
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: 単行本
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