第一部は元七三一部隊の隊員の方々の証言や、国内で発見・収集された資料にもとづいて七三一部隊が犯した大規模な細菌兵器の人体実験を実情を暴露するものだった。
第二部は、米国での取材、米国で発見された資料をもとに、第一部を補強する形でさらに実態を暴露した。戦中のことだけでなく、終戦による撤退時の大量虐殺、そして終戦後の日本での行動についても詳細に明らかにされた。
個人的には、第一部と第二部を連続して読むことで非常に大きな衝撃を受けることができたし、改めて日本人として日本人が過去に犯した重大な事件について反省しなければならないのだと考えさせられた。
そういう大きな影響を受けたことで、第一部・第二部は僕にとっては傑作だった。
残念ながら、第三部の内容はがっかりだった...。
これもいつものことながら、読む前に期待をしていたことが原因かもしれないが。
★☆☆☆☆
- 作者: 森村誠一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1985/08/01
- メディア: 文庫
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内容は中国の現地での取材によってこれまでの事実を補強するというもの。
しかし、残念ながら目新しい発見はなく、僕には中国取材旅行記にしか読めなかった。
第二部の後半では、日本が犯した細菌兵器の人体実験結果を第二次世界大戦の戦勝国となった米国が受け継ぎ、その結果をもって朝鮮戦争に使用したことにつながっていた。当然ながら、これからは朝鮮戦争での米国による細菌戦を暴いていくものと思われていたし、そのように示唆されていたと思ったのに。
第三部は残念な内容だったが、この『悪魔の飽食』三部作が僕に与えた影響は大きかったと思う。
やっぱり戦後に生まれた一人の日本人として過去の日本人が犯した戦争というものについて、しっかりと理解しなければならないということだ。
もうちょっと勉強してみることにする。