笑う警官

警察小説はなかなか好きなジャンルです。
でも、先日の直木賞を受賞した佐々木譲氏のものはこれまであまり手が出ていなかった。


直木賞受賞をきっかけに最近の書店では佐々木譲氏の作品が平積みされている。
やっぱり直木賞受賞作品『廃墟に乞う』を読むためには、その原点を読まなければいけないのだろう。


ということで、映画化されたばかりの本書『笑う警官』を読んだのだった。


これが北海道警察で本当にあった事件を背景としたということを知ってビックリ。
警官が覚醒剤取引で逮捕されるとか、組織的裏金作りとかという、2002年にこんな大事件があったとは知らなかった。
おそらく当時はすごく大きな事件としてニュースなどでやったのだろうけど、僕たちはすぐに忘れてしまっているだけなんだと思う。
すでに警察や国家公務員のこの手の不祥事は日常茶飯事であり、いちいち記憶に残しておくことがないのかも。


小説としては、すごく引き込まれるスピード感があり、さらに最後は正義は勝つという読後感の非常に良い作品。
映画はちょっと違うストーリーになっていると思うが、DVD化されたら観てみたいと思う。


なお、本書は単行本ではタイトルは『うたう警官』だったらしい。
"うたう"とは、"密告する"という意味。
どう考えても、こっちの『うたう警官』のタイトルの方がよいと思う。
『笑う警官』とは誰が何に笑うのか、さっぱり理解できず。


★★★★★

笑う警官 (ハルキ文庫)

笑う警官 (ハルキ文庫)