佐々木譲氏の『うたう警官(笑う警官)』で背景にもなっていた事件。
いわゆる「稲葉事件」。
北海道警の裏金、現職警官による拳銃不法所持、覚醒剤密輸・使用という大きな事件であり、
警官による告発や北海道新聞と道警の癒着問題などに繋がっていく。
しかし、僕はこの事件の詳細を知らなかった。
そのため、テーマとした小説や関連する本を読んでもイマイチだった。
この稲葉事件の当事者が服役を終了して、満を持して筆を執った。
読み始めて早々からショッキングなことが多すぎる。
警察での点数、ノルマ、拳銃摘発、税関との取引等、これが本当に日本の警察の姿なのだろうか。
それとも北海道警察だけが特別なのであり、他の日本の警察にはまともなのだろうか。
(おそらく期待は薄そうだ。)
稲葉氏の言うとおり、警察組織の問題であり、稲葉事件はトカゲの尻尾きりだったんだろうと思う。
しかし、警官自身が覚醒剤中毒になっていたのは、さすが組織のせいにはできない。
ここはご本人も最も悔いておられて、それが『恥さらし』という題名になっているとのこと。
日本は大丈夫なんだろうか、と心配しつつ、しばらく警察関係の本を読みあさることになりそうだ...。
★★★★☆
- 作者: 稲葉圭昭
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 単行本
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