誘拐の誤差

戸梶圭太氏の作品は初体験だった。
何なんだろうか、このノリは。

非常に軽快なタッチで残虐・残酷な場面をリアルに描いてある。
犯人、警察、被害者、容疑者がみんながみんなどこか可笑しいんだけど、
今の世の中にはこういう人たちは確実に実在するようなところがリアル。

殺人場面などを笑い飛ばすかのように描かれているところは、
不謹慎に感じる人もあるかもしれないが、こういうノリも面白いと思う。

僕は「誘拐の誤差」という何か意味深なタイトルから、重い社会派ストーリーを勝手に想像してしまい
読み始めから大きなギャップがあって非常に新鮮で面白かった。
このギャップを体験してしまった以上、次に戸梶圭太氏の作品を読んだときにどう感じるかが楽しみだ。

★★★★☆

誘拐の誤差 (双葉文庫)