日本のバブル崩壊から、リーマンショックによる世界の経済の恐慌までを、
格付会社を主役にして描く小説。
小説といっても、実名も多く登場に、おそらく9割以上は本当のことなのではないか。
証券化に関しては、多くの専門用語が飛び交うので、僕のような経済音痴には非常に難しい内容だ。
ただ、実態はそんな難しいことを隠れ蓑にしながらも、格付会社とその幹部が自分たちの利益を重視して
世の中を混乱に導き、それが破綻していくという構図は実に単純である。
すごく読み応えのある"小説"だった。
それにしても、格付会社とは一体何なのなのだろうか。
自分たちが受けるリスクは少ないのに、経済全体に大きな影響を与える。
ましてや、格付け結果によっては、その企業の生死を左右してしまうほどの影響がある。
このような会社が規制なしに存在していいはずがない。
『格付けとは、あくまでも格付機関の意見、つまりアナリストの意見でしかない』とは、
あまりにも無責任だ。
★★★★☆
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