国家の品格

書いてることは当たり前のことだと思った。著者、藤原正彦氏には共感。
しかし、わざわざこんなことを本にしてそれがベストセラーになってしまう世の中になってしまったことが恐いものだ。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

  • "卑怯"という言葉は最近使わなくなったな。久しぶりに目にした言葉だった。小さな頃は『卑怯者』と言われることが何よりも恥ずかしい事だったし、何が卑怯なのかということもわかっていたと思う。自分のことよりも人のことを真っ先に思いやり、人を大事にするように自分も子供たちもありたい。
  • 子供の教育について。英語よりも国語をということは理解できる。確かに本を読む人と読まない人では文章をまとめること、自分の意見を述べる能力に大きな差が出てくる。これは子供頃ではなく、大人になって、しかも30歳を過ぎた頃から顕著に表れてくるものだ。そうなったらもう遅い。小さな頃からの心がけが大事。中身のない大人なんて、意味がない。
  • 拝金至上主義...。恥ずかしい限りだけど、現代社会はこうなってしまっているのだ。ずる賢い人間が真面目に働いている人間よりもお金をもうけることができる世の中。そういったことがクローズアップされると、当然子供たちも将来は楽して金持ちになりたいと思うだろう。本当は恥ずかしいことなのに、そうする事が頭が良くって自慢できることであるかのように子供たちは考えているのだ。そりゃ〜、どんな教育をしてもダメだろう。
  • マスコミが第一権力。これは僕も日頃から心配していることだ。最近のマスコミの報道姿勢には問題がある。社会的な問題を掘り下げるようなことをせずに、個人的な攻撃ばかりしている。例えば、構造偽造問題でも業界と制度全体に問題があったにも関わらず、A氏を個人を攻撃していた。事件とは関係のない、個人的なことでもあるのに。こういうマスコミの報道のやり方が、強者が弱者をよってたかっていじめるという子供たちを育てているのだろう。

昔のオジイちゃんとか親父たちが言っていたことばかり。そういった年寄りを小言ばかりが書いてある本だけど、親となった自分としても『本当にそうだ、子供にも言い聞かせたい』と感心するばかり。当たり前のことを当たり前のように実践することが難しい世の中だからこそ、ありがたい話だと思う。
★★★★★