プリンシプルのない日本

一本の真っ直ぐな筋が通った日本人。


相手が誰であろうと、決して個人的な利益だけを考えずに、日本という大局を見通して、自分の信念を通す。
言葉では言えても、こんなに大きなことは中々できない。それを戦後という動乱期に日本の復興のためにやり抜けた白州次郎という方は本当にかっこいいと思う。
もちろん白州次郎さんには諸手を挙げて褒めたたえるつもりはない。大きな組織に属していたこと、重要な地位にいたために、いろいろな黒い噂があったことも知っている。


しかし、そういったことはどうでもよく、本書では白州さん自身の言葉が詰まっていて、その時代に白州さんは何を考えていたのか、日本の将来を見据えて主張し大胆な行動を行っていることが非常によく読み取れる。
GHQにも『従順ならざる唯一の日本人』と言わしめた白州次郎という生き方。自分の生き方として足元に及ばないながらも理想・目標として掲げたい人物である。
★★★★☆

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)