楽園

読みました。
ここ1週間ほどは『楽園』漬けになってしまうくらいに、のめり込んでしまった。
僕は宮部みゆき氏の著書はあまり読んでいないので、犯罪小説にサイコメトラーを中心として話しが展開したときには『これは読書対象として間違ったかな?』と思ったくらいだったのだ。

当たり前だけど、この本は『模倣犯』の前畑滋子の背景がわかっていないと面白くない。というか、話しがわからないと思う。事前学習・前提知識として、ちゃんと『模倣犯』を読んでおいて良かった。

なんというか、この宮部みゆき氏の作品はすごく"間(ま)"がいいと思う。
会話の文章からも人物の息遣いが聞こえ、表情が思い浮かび、間が思い描かれる。
いろいろな出来事が最後に1つに結びついていくというところも良いのだが、ある意味、そういう展開はこの手の小説としては常套手段だから特別にすごいわけではない。ただ、そこで最後の急展開のどんでん返しがあるわけでもなく、読者の期待を裏切らないようにストーリを完結してくれるのは読み手として気持ちのよいものだ。

★★★★☆

楽園〈上〉

楽園〈上〉

楽園 下

楽園 下

は4つ。
1つ減点の原因は、1つ疑問が残ってしまったことだ。
これは僕の読み込みが浅かったために読み落としているのかもしれないが...。

どうして萩谷等君は山荘の絵を描くことができたのだろうか?
山荘の現場を見た誰の頭の中を見たんだろうか。


読み落としてしまったのなら、もう一度読まなければ。