公認会計士vs特捜検察

"J-SOX法"、"内部統制"関連で粉飾決算に関することを読もうと思って、これを買ったのだが中身はまったく違っていた。
これが"いい意味"で違っていて、"いい意味"で裏切られた。


特捜検察による事件のでっち上げを被告人とされた筆者自身が告発している。
自分の無実を証明することを訴えたい気持ちが非常に現れているので、事実の説明の流れの中ですぐにどこか別のことに話が飛んだりしてしまうことにはちょっと読みにくさを感じたが、それが逆に筆者の真剣さを感じる場面でもあった。
同じことを何度も何度も繰り返し書かれているところはちょっと閉口した。そういうところを修正すれば、もっと読みやすくなったのではないかと思う。


それにしても、本書を読み終わっても、いまいち特捜がこの事件を無理に"でっち上げ"ようとする理由がよくわからないんなぁ。
筆者である細野裕二氏が超有名な公認会計士なのかどうかは僕自身は全くわからないけど、そもそも舞台となった『株式会社キャッツ』という害虫駆除会社も知らないのだ....。

特捜に狙われたら、どんなに無実が真実であっても、裁判所・検察・弁護士3点セットで有罪に持っていかれるという理不尽な世の中であり、表面的には民主主義と謳っているこの国・日本においては正義というものが根本的なところでは存在しないということを知らせてくれたことには感謝したい。

★★★★☆

公認会計士 VS 特捜検察

公認会計士 VS 特捜検察