最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

本当、だいたいの事故は人災なんだよ。
原因となる不具合を作ってしまった人、それを幾度の検査にわたって繰り返し検出できなかった人、問題を認識しながらもGOサインを出した人または出させた人。大きなシステムにたくさんの人が関連している。
誰が悪いとかといった犯人探しすることは非常に気がひけるが、しかし、トラブル・事故が発生した際には発生プロセスを正確に調査しておき、それを今後の役に立てていかなければならないのだ。失敗から大きなものを学ぶために。
しかし、繰り返し失敗を犯すことは非常にまずい。はっきりいって学習能力がない、責任感がないものが、重要な仕事を完璧に遂行することは不可能だろう。

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

僕が感心したのはスリーマイルズアイランド原発での事故。数十人の大人が数時間もかかっても原因を突き止めることができなかった。たくさんの計器が示す数字に惑わされていたのだ。しかし、そこに後からやってきたメーラが事態を分析して解決する。
それには特殊な力があったわけではない。ただ、冷静に客観的かつ論理的に物事の事態を判断したんだと思う。その前に来ていた数十人はパニクっていて頭が回らなかったんだろう。
こういったのってソフトウェアの障害でも原因を突き止めるときと同じだと思う。
臨場感があり、読み物として非常に面白い。仕事の参考になるしね。
★★★★☆